第85回(10/1) 〜女神が微笑む〜   毎週月曜更新

なみ「はあ〜・・・・はあ〜・・・・・」
おさむ「どうしたの、なみちゃん?さっきからため息ばっかりついて・・・。何かあったの?」
なみ「うん・・・今日ね・・・前に一度来たお客さんが来てね、いきなり”占い全然当たらないじゃない!うそつきー!”って・・・その後ワンワン泣かれてね・・・。はあ〜・・・・・。」
おさむ「そうなんだ・・・。それは大変だったね・・・。」
なみ「今の仕事が本当に合ってるのか考えちゃうわ・・・はあ〜・・・。」
おさむ「う〜ん・・・そっか・・・なみちゃんでも悩みはあるんだね・・・。」
なみ「そりゃそーよ・・・。なみだってカエルだもん・・・。うん?なみちゃんでもということはおさむも・・・?」
おさむ「うん・・・実は最近ちょっと運が悪くてさ、車にひかれそうになるし、今日なんて財布落としちゃって・・・。」
なみ「えーー!それは大変!カードとか免許所は??」
おさむ「全部・・・。一応カード会社には電話してストップしてもらったけどさ・・・はあ〜・・・最近ついてないよ・・・。」
なみ「そっか・・・おさむも大変だね・・・・・。」
・・・ドドドドドド・・・
アキラ「ワッショイ!ワッショイ!お祭りだ〜♪いやーもうすぐ町内の祭りやな〜。御神輿かついでワッショイ!ワッショイ・・・あれ?やけに静かやな・・・。」
なみ「いいわね・・・悩みのないカエルは・・・・・・。」
アキラ「なんや、何悩んでんのや??お兄さんにゆーてみ。ほれ・・・。」
おさむ「実は、なみちゃんも僕も・・・かくかくしかじかで・・・。」
アキラ「ふむ・・・なるほどな・・・。ええか、人生ゆんは山有り谷ありゆーてな、ええときも悪いときもあるんや。ほら、あのレゲエの歌手が歌っとるやろ・・”ええときも〜♪悪いときも〜♪ひっくるめて見てくれ〜♪一生一緒に〜♪ってな。まあまあ、そんな顔せんと・・・。わかったわかった、おいらの話はいつも長いからな。わかった。一言だけ言わしてくれ、一言だけな。」
なみ「なあに・・・?」
アキラ「女神はな、明るく元気で笑顔の絶えへん奴だけに微笑むんや。はい!これだけ!終わり!さておいらは祭りの準備に行かなあかんから。お前らも後で来いよ!ほなな。ワッショ〜イ♪ワッショ〜イ♪お祭りだ〜♪」
・・・ダダダダダダ・・・
おさむ「本当に元気だね・・・・。」
なみ「プッ・・・ハハハハハハハ・・・。」
おさむ「ど、どうしたの、なみちゃん!?」
なみ「なんかアキラ見てたらなみの悩みなんてどうでもよくなってきたよ。そうそういいときもあるし悪いとこもあるもんね・・・。たまにはいい事いうじゃない・・・。よーし、くよくよしたって始まらないもんね。」
おさむ「そうだね・・・。そうだよ・・。僕だって、財布落としちゃったけど、これを教訓にして、次からは気を付けなくちゃ。」
なみ「そうだよ。その意気だよ。なみだって、占い当たらない時もあるけど、当たったってお礼に来るお客さんもいっぱいいるんだから。」
おさむ「そうだよ、そうだよ。よーし、女神に微笑んでもらえるように明るくいかなくっちゃね。」
なみ「さんせーい。そうと決まればなみ達もお祭りの準備に行かなくちゃね!」
・・・ダダダダダダダ・・・
・・・その次の次の日・・・
なみ「キャー!聞いて聞いて!この前のお客さんね、また来たんだよ。怒られるかなって思ってたら、なんと恋人から急にプロポーズされちゃったんだって!もう、ありがとうありがとうって泣いて喜んでくれてさ。なみまでもらい泣きしちゃったよ!」
おさむ「なみちゃん、やったね!!実は、僕もさっきね、財布を届けてくれたカエルがいるんだよ。しかも女の子でさ、別に変な気はなかったんだけど、お礼をしたいからっていったら電話番号もらっちゃった。」
なみ「キャー!!やるじゃない!おさむ!!」
おさむ「やっぱり女神っているのかな?」
なみ「きっといるよ。ね、アキラ・・・。」
アキラ「もうええわ・・・。人生終わりや・・・・。」
おさむ「いったいどうしたのさ?」
アキラ「もうええんや、しょせんカエルなんて生まれて死ぬだけやん・・・。」
おさむ「どうしちゃったの??」
なみ「どうせあいと喧嘩したのよ。」
おさむ「なるほど・・・。」
なみ「いいアキラ、人生悪いときもいいときもあるのよ。知ってる?女神はね、元気で明るく笑顔を絶やさないカエルに微笑むんだよ。」
アキラ「・・・・・なんか、そんなこともあったな・・・。遠い昔のことや・・・。ま、ええわ適当で・・・。」
なみ「コラー!!弱音を吐くな!!世の中前向きに行かなきゃはじまらなよ!」
アキラ「・・・・・・・・。」
なみ「わかった・・・。とにかく笑顔笑顔!なにその表情は?はい、笑顔作って!!あら?しないつもり・・・。じゃあ、晩ご飯抜きね・・・。そう、それでいいのよ。はい、じゃあその笑顔で、第1部屋に行って来て下さ〜い。お客さんが来てま〜す。」
アキラ「アホか!なんでこんな時間からせなあかんねん!」
なみ「あらそう・・・晩ご飯いらないのね・・・。・・・・・・・。そう、それでいいのよ。やればできるじゃない。その笑顔ね。はい、いってらっしゃーい。」
アキラ「チッ・・・・」
・・・ダダダダダ・・・・
なみ「ふう〜やれやれ・・・。」
おさむ「なみちゃん・・・いくらなんでもこの時間から仕事ってかわいそうじゃない・・・。」
なみ「フフフフフ・・・・バカね・・・。笑顔のカエルにはいつも女神は微笑んでくれるのよ。」
おさむ「うん・・・・?あ、もしかして、お客さんって!」
なみ「ピンポーン・・・」
おさむ「なるほどね・・・フフフ。アキラの女神はさしずめなみちゃんってところだね。」
なみ「なみが女神・・・??それもいいかもね。なみも、なんだかんだいってアキラにはよく助けてもらってるし。女神って案外近くにいるのかもしれないね・・・。落ち込んだ時こそ笑顔で、前向きに行かなきゃね。ふてくされてたら、女神はもちろん周りの友達も寄りつかないもん。あ〜あ〜とっても簡単な事のようだけどなかなかできないのよね・・・。ずっと前向きで生きていきたいな・・・。」(つづく)

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